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第31回日本頭蓋底外科学会
会長 甲村 英二
(神戸大学大学院医学研究科脳神経外科)
このたび、第31回日本頭蓋底外科学会を2019年7月11日(木)、12日(金)にANAクラウンプラザ神戸において開催いたします。日本頭蓋底外科学会は1989年に日本頭蓋底外科研究会として発足し、頭蓋底外科領域の学会組織としては世界に先駆けて設立されたものです。脳神経外科医、耳鼻咽喉頭頸部外科医、形成外科医などが参加する学際的な学術集会で他に類を見ない非常に意義深いものです。神戸大学脳神経外科としては2001年に第13回を故玉木紀彦先生が主催されています。私は2014年から3年間本学会の理事長を務めましたが、今回第31回学術集会を担当させていただくことは、教室に取りまして誠に光栄なことです。
本会の主題は、「頭蓋底外科のPros and Cons」としております。頭蓋底外科の黎明期には各種の新たな手術アプローチ、再建法が考案されましたが、頭蓋底外科の歴史も四半世紀を超え長期成績も明らかとなり、多くの手技は淘汰洗練化の道筋をたどりました。頭蓋底外科手技は、当初の特殊な技術から一般的な手技へと変化し広く普及しつつあります。他方では、定位的放射線治療、粒子線治療、内視鏡的頭蓋底外科手術といった新たな治療手段の登場により、従来の顕微鏡手術との選択や組み合わせをどのようにするのが良いか、いかに合併症を防ぐか、チーム医療をどのように進めていくかといった課題も山積しています。本学術集会では、シンポジウム、セミナー、教育講演、演題発表の機会を設けて討議を行い、あらためて各治療手段・手技の長所・短所を洗い出して、安全・確実な治療の普及に向けて、脳神経外科、耳鼻咽喉頭頸部外科、形成外科という異なった領域の医師間でのコンセンサス形成を行い、会員知識・技量レベルの向上を目指しております。特別講演には頭蓋底外科の大家であるSamii教授をお迎えする予定です。神戸大学耳鼻咽喉頭頚部外科 丹生健一教授、形成外科 橋川和信准教授のアドバイスもいただいて充実した学会を企画いたします。
会場は新幹線新神戸駅に直結しており、ご不便をおかけすることはないと存じます。頭蓋底外科に関わりますすべての先生方にとりまして有意義な学会となりますよう、鋭意準備を進めて参ります。多数の演題のご応募ならびに学会へのご参加をお待ちいたしております。